2011.06.02久米島の海底鍾乳洞から新種のヌマエビ類を発見

2011年2月に久米島応援プロジェクトの「地域の宝探し活動」の一環として、地元の漁師やダイバーの協力を得て海底鍾乳洞の生物調査を実施しました。その調査で採集した試料を精査したところ、新種のヌマエビ類であることが分かりました。

発見された場所は、沿岸の水深35m程にある海底鍾乳洞。ヌマエビ類は通常、河川や湖などの淡水を生息域としており、海域に生息しているのは世界的にも例がありません。今回発見されたヌマエビ類は新属新種で、甲長2.5 mmで眼が退化傾向を示すなどの特徴がありました。

この詳細は、2011年6月4日に琉球大学で開催される沖縄生物学会にて発表しました。

(NPO法人海の自然史研究所 藤田喜久)

■プレスリリースは下記からダウンロードいただけます。
20110602_ 久米島新種エビプレスリリース.pdf
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2010.12.24日本サンゴ礁学会で成果発表3「久米島の中深度に生息する枝状ミドリイシ大群集」

reNEC_0027.jpg同じく日本サンゴ礁学会第13回大会の1日目(12月2日)には、ナンハナリ沖で発見された枝状ミドリイシ(ヤセミドリイシ)大群集についてポスターで紹介しました。研究者の皆さんがよく調査される浅いところではあまり目立たないヤセミドリイシという種類が、数キロにも及ぶ大群集を形成していることに生態学の専門家の皆さんも大変驚かれました。発表を聞きに来られた方々とのお話では、これだけの大規模な群集がどうやって形成され、維持されているのか、白化やオニヒトデで大きな被害を受けた沖縄のサンゴ礁にとって、どんな役割を持っているのかなどの話題が尽きず、今後の研究が待たれます。ただ、このぐらいの水深帯をフィールドにしている研究者が少ないことが大きなネックです。若い、元気な研究者の参加を大いに期待したいところです。

(自然環境研究センター 木村匡)
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2010.12.23日本サンゴ礁学会で成果発表2「久米島島尻湾の赤土等堆積調査」

日本サンゴ礁学会第13回大会で、久米島島尻湾の赤土等堆積調査をポスター発表しました。
これは梅雨明け7月での調査結果をまとめたものです。
島尻湾沿岸陸域の土地利用の変遷を空中写真で示し、土地利用の時代ごとの変化に対応するように、湾内に堆積した赤土等の濃度分布も大きく変化して いることを視覚的に表しました。

DSCF3722.jpg

(沖縄県衛生環境研究所 仲宗根一哉・国立環境研究所 山野博哉)

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2010.09.118月下旬、ナンハナリサンゴ大群集調査

世間では夏休みも終盤の8月26日から3日間、サンゴ大群集の調査に行ってきました。優占種の特定が今回の目的。そのために日本最大のサンゴの分類集団である「日本造礁サンゴ分類研究会」から鈴木豪さんと下池和幸さんをゲストに迎え、藤田喜久・上野大輔「海の自然史研究所」チーム、横井謙典カメラマンとともに調査を行いました。今回の最大の収穫は、深場の大群集がヤセミドリイシのほぼ単一種で構成されていること、分布域はさらに東側にのびているのが確認できたことです。この大群集、いったいどこまで広がっているのか、まだまだ興味は尽きません(お手伝い頂いた船長さん、ダイバーの皆さん、本当にありがとうございました!)

(自然環境研究センター 木村匡)

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大群集を撮影中の鈴木氏(2010.08.26 撮影)

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大群集を調査している下池氏(2010.08.26 撮影)
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2010.09.067月、島尻湾の赤土堆積詳細調査

 沖縄県は、1992年に久米島周辺海域および島尻湾内、兼城海岸の礁池内で詳細な赤土堆積の実態調査を実施しています。この調査は「久米島赤土汚濁モニタリング調査報告」としてまとめられ、久米島周辺海域の全域で赤土が堆積し、県内でも赤土汚濁が最も著しい地域であることや主な赤土等の流出源が農地改良事業や事業終了後の耕作畑であることが報告されています。その後、沖縄県では1995年に沖縄県赤土等流出防止条例が施行されたことから、県全体で見ると開発事業からの赤土流出量は大幅に減少しました。しかし、既存農地からの流出量があまり減少しておらず、農地からの赤土等流出防止対策の遅れが指摘されています。こうした中、久米島町では近年、赤土等流出防止対策流域協議会が設立し、農地からの赤土等の流出対策が進められていることから、海域環境の改善が期待できます。
 そこで私たちは、今回、島尻湾内の赤土堆積詳細調査を実施して18年前の調査結果と比較することにしました。第1回目の調査は梅雨明け後の7月1日から2日にかけて実施しました。調査では、干潮時に合わせて徒歩で河口や干潟の砂を取り、島尻湾内の水深のあるところでは船で移動しながらシュノーケル潜水やドレッジャーと呼ばれる採泥器を使って海底の砂を取りました。

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シュノーケル潜水で海底の砂を採取しています。

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今回使用した円筒型のドレッジャーです。

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水深20〜30mの海底に降ろしたドレッジャーを引き上げています。


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引き上げたドレッジャーから砂を回収しています。


 採取した砂の中に含まれる赤土の量は簡単な方法で測定できます。測定値は底質中懸濁物質含量、略称SPSS(content of Suspended Particles in Sea Sediment)と呼ばれ、単位は砂1立方メートルに含まれる赤土の重量(kg)で表します。SPSSは底質の外観などとよく対応していて、9ランクに分けることができます。


SPSS_Table.jpg


 さて、今回の島尻湾内の赤土の堆積状況は、どうだったでしょうか。
その前に、18年前の島尻湾内の赤土の堆積状況をSPSSランクの分布から見てみましょう。


SPSS_1992.jpg
1992年7月の島尻湾内の赤土堆積状況(図中の数字はSPSSランクを示す)


 銭田川河口から湾のほぼ中央付近にかけてSPSSランク8の高濃度の赤土が堆積していることが分かります。では、今回の調査結果を同様に図示すると・・・・


 SPSS_2010.jpg
2010年7月の島尻湾内の赤土堆積状況(図中の数字はSPSSランクを示す)


 上図のように湾中央に赤土が泥のように堆積している状況は見られませんでした。ただ、島尻川河口付近にはSPSSランク8が出現しています。おそらく島尻川流域の畑から降雨時に赤土が流出したものと思われます。それでも湾全体でみると18年前と比べて赤土の堆積は随分と減少し、海域環境は改善しつつあります。今後も赤土流出防止対策を進めて行けば、湾全体でサンゴの良好な生育環境であるSPSSランク5a以下も実現できそうです。

 第2回目の調査は台風通過後の10月または11月を予定しています。次回の調査では台風等の波浪によって島尻湾内に堆積した赤土がどの程度外洋に拡散するのかを調べようと思います。


(沖縄県衛生環境研究所 仲宗根)
タグ:久米島 赤土
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