2012.09.26儀間公民館で最終報告談話会を開きました

9月25日(火)19時〜、9月末で3年間の活動を終了するにあたり、これまで活動にご協力いただいた儀間地域の方々にお礼を申し上げる場として、儀間公民館にて最終報告談話会を開催しました。当日はホタルの会とともに行った久米島小学校の環境学習に協力くださった儀間老人会の皆様を中心に、久米島小学校の先生方も含め、20名以上の方々にお集まりいただきました。

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儀間地域は、私たちプロジェクトが開始する以前に、儀間川の生物調査が行われ、また文化人類学の調査も行わるなど、これまでの研究成果が蓄積されている地域でした。私たち応援プロジェクトは、ここ儀間地域を久米島の中でのモデル地域と設定し、3年間儀間川の2カ所に機器を設置して赤土流出量の観測をさせていただきました。また、儀間流域に畑をもつ儀間の農家の方々に、グリーンベルトや緑肥などの赤土流出防止対策にご協力いただきました。さらには、久米島小学校での環境学習で、儀間老人会サロンの皆様に昔の儀間川の様子を教えていただくなど、多方面でお世話になりました。

談話会では、プロジェクトメンバー4名から一人ずつこれまでのお礼を申し上げた後、出席いただいた地域の皆様からもお一人ずつ、全員からお言葉をいただきました。

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■地域の皆様からいただいた言葉
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「プロジェクト開始当初は、何をするのかよくわからない面もあり、戸惑いもあったが、今回行った環境学習は、地域が子どもの教育に関わることが出来る模範的な活動になった。地域の皆さんも大変喜んでいる。」
「仕事を引退してしばらく経つが、ずっと地域の役に立ちたいという気持ちがあった。今回、環境学習の協力願いがあり、その誘いにのったことで、昔の儀間の様子を子どもたちに伝えることができた。」
「普段から子どもたちと接してはいるが、あのような学習の場で改めて昔のことを伝えることができたのはうれしかった。」
「老人会の中には、子どもたちにちゃんと話ができるのか,教員だった方にしかできないのでは・・と最初は不安に思う人もいた。だが、実際やってみると、みなうれしそうに昔の話・経験を話していた。」
「小学校にとっては、地域の方々の話は生きた教材。老人会サロンで聞いた地域の皆さんのお話は子どもたちの心にしっかりと届いた。私たちも地域のことを教えていただいた。これからも学校に関わっていただきたい。」
「我々(老人会の方々)同士も、いつも酒を飲んでいるが、はじめて聞く話もたくさんあった。私たちも勉強になった。」
「海のごみの問題もある、先日老人会で海岸清掃を行ったが、子どもたちと一緒にやることが大事」
「儀間はまだ下水道の本管が通っていない。生活排水、洗剤の問題もなんとかしなければならない。」
「赤土だけでなく、下水道整備や土地改良区の維持管理などについても重要。」
・・・・・
私たちがターゲットとした赤土以外にも、海ゴミ・下水などの地域の課題に取り組む必要性があるとのご意見もいただきました。

プロジェクト開始した当時、儀間を対象にするのはまるで赤土対策をしていない地域のように思われてしまう、とのご指摘を受けたこともありましが、この3年間で、「もあい(仲の良い者同志の月1回の集まり)」にも何度かお邪魔させていただき、お話を続ける中で、プロジェクトの活動についてご理解・ご助言くださり、また時間や労力を割いてご協力いただけるようになりました。「もう3年も経つかね、あんたと出会ってまだ1年くらいの気持ちだが」と言いながら、これまでの活動を振り返ると話は尽きず・・、談話会は23時まで続き遅くまでお付き合いいただきました。

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儀間の太田区長さん・書記崎村さんには、この談話会の呼びかけや準備にもご協力いただき、またこれまでこのプロジェクトを支えていただきました。

これまでお世話になったすべての儀間の皆様に、心よりお礼申し上げます。

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プロジェクト出席者:国立環境研究所 浪崎直子・山野博哉、WWFジャパン 権田雅之、沖縄県衛生環境研究所 金城孝一

(国立環境研究所 浪崎直子)
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2012.09.25「砂の観察」授業実施&授業教材完成間近

9月25日(火)、久米島小学校5年生担任の玉城先生にリクエストいただいて、午前中の2校時の時間で「海を学ぶ」授業を実施しました。この日は、応援プロジェクト代表の権田さんも出席。松本校長先生から、キャリア教育にもなるのでぜひ仕事の紹介もして欲しいとアドバイス受け、冒頭に二人で自己紹介をさせていただきました。

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そして、7月の教員研修会で紹介した、「砂のプログラム」「サンゴのフリップクイズ」「サンゴ15」の3教材を使って授業を進めました。
メインプログラムは「砂」です。久米島・儀間川河口域の砂と、他の4地域の砂を比較観察して、「久米島・儀間の砂はサンゴや貝などの海の生きものの死骸などでできている」ということの理解を深めました。この日のため、7月に実施した教員研修会講師の古瀬浩史さんから日本全国の3地点(伊豆諸島・八丈島と新島、屋久島)の砂とその海岸の写真を小学校に寄贈いただきました。また権田代表が住んでいるすぐそばの石垣島の砂も持参して、儀間の砂とあわせて全部で5地点の砂を見比べ、気づいた点を出し合いました。

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儀間河口域の砂を見て「赤瓦みたいなのがある!」というコメントが。陸から流れた赤土は固まって、「赤瓦」のように見えたようです。八丈島の黒い砂を見て、「近くで建物工事している」「ここで泳いだら足が真っ黒になりそう」なんてコメントも。いろんな視点に関心するばかりでした。一番人気の砂は、新島の流紋岩質の砂。ダイヤモンドみたい、もって帰りたい!欲しい!大人になったらこの島に砂を取りに行く!と言い出す子までいました。

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砂のプログラムの後は、「サンゴフリップクイズ」・「サンゴ15」教材を使ってサンゴの知識を深めました。最後伝えたいことが山ほどあり急ぎ足になってしまったのでどれだけ伝わったかな・・と不安でしたが、この夜担任の玉城先生が子どもたちの感想文をプレゼントしてくださり、そこには

写真.jpg・自分たちのよくみている砂がふつうだと思っていたけれど、日本にはいろいろな砂があるんだなーと思いました。
・黒い砂がふつうのところがあると聞いてびっくりしました。
・なみざきさんはサンゴに手と口があるといっていたけれど、目はあるのかと考えました。
・情報をおしえるサンゴ、なかまをころすサンゴもいました。
・歩くサンゴがあるというのはびっくりしました。私の予想は小さくてチョコチョコあるいている予想です。
・サンゴがピンチということをきいて、私はサンゴのためにできることがあります。だからいろいろな勉強をしてがんばりたいです。

多様な感想をもってくれたようです。担任の玉城先生の、子どもたちの意見を引き出す指導法には、私自身勉強になることしきりでした。

今日使った教材・PPTファイル・動くサンゴの動画一式は、引き続き来年以降も使用いただけるよう久米島小学校のパソコンに保存してきました。またこの一連の授業をまとめた「授業教材」を、これまで担任の玉城先生、古瀬さん、久米島ホタルの会にも協力いただき製作をしてきましたが、いよいよ最終調整段階になりました。この授業教材を使って新しく赴任された先生にもこの授業を行っていただけるように、長く続く授業になるようもう一踏ん張りです。
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(国立環境研究所 浪崎直子 WWFジャパン 権田雅之)
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2012.09.12久米島応援プロジェクト 現地関係者インタビュー

久米島応援プロジェクトは、いよいよ今月をもって活動期間を終了します。そこで、活動を取りまとめ、レポートとする予定です。現時点での構想として、久米島の魅力や観光情報などもまとめた書籍としても出版製作を検討しています。

プロジェクトとしては、この島外のメンバーによる保全活動支援プロジェクトの試みについて、現地の協力いただいた方々や関係した団体などからその効果や影響のみならず、良かった点や改善すべき点など、できるだけありのままのコメントをインタビュー形式で記録することを行いました。これは今後の活動の企画・展開への貴重な参考資料として活用するためにも貴重なものだと考え、現地関係者の皆様にお会いして来ました。


今回インタビューさせていただいた方は、地域の非営利団体や久米島町役場の関係者のほか、製糖会社や環境教育活動で、協力いただいた小学校や博物館、そして地元の老人会や農家の方々など、あわせて15件の多様な方々を対象者としました。


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(儀間集落の老人会でお世話になった皆さま)


インタビューを進める中で、ご意見・ご指摘とともに、久米島の皆さんのプロジェクトへの親切な労いの言葉や協力的なアドバイスなどを伺うたびに、プロジェクトの3年という短さと、まだまだ地域の皆さんとともにやりのこしたことに気づく機会となりました。

また島の基幹産業であるキビ産業の仕組みや地域的な事情、土地改良区などの農産物増産開発の経緯や現場を見聞きしながら、外部のものだからこそ期待されていることを発見する機会が何度もありました。

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(土地改良区の水兼道路 大雨が降ると、農地の水を一気に海に流す水路を兼ねる道路)

 
今後、このインタビュー内容を取りまとめ、書籍としては来年の発行を目指し作業を進めていきます。

インタビューさせていただきました久米島の関係者の皆さま、ありがとうございました。

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2012.09.11久米島応援プロジェクト メンバー組織



(順不同。所属はプロジェクト開始時、 または一部終了時点を含む)


  • 環境保全と地域連携の専門:
    (公財)世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)  権田雅之、安村茂樹、上村真 仁


  • 甲殻類をはじめとした沿岸生態学の専門:
    NPO法人海の自然史研究所琉球大学   藤田喜久

  • 赤土流出調査・環境教育の専門
    (独)国立環境研究所   山野博哉、林誠二、浪崎直子、 石原光則 
    沖縄県衛生環境研究所   仲宗根一哉、金城孝一 
    (株)自然教育研究センター  古瀬浩史

  •  社会学(文化人類学)の専門
    東京経済大学   深山直子

  • 地域協議会運営・普及の専門
    (一財)沖縄県環境科学センター  長田智史
    (一財)自然環境研究センター   木村匡

  • 広報宣伝活動の専門:広告代理店  
    (株)ホシノナミ  星野奈美
    (株)NIJI店    三神良之
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2012.07.31教員研修会開催しました

2012年7 月30 日(月)、久米島町教育委員会との共催で、「久米島の自然・サンゴ礁を活用した総合的な学習の時間のための教員研修会」を開催しました。

久米島全島の小中学校の先生方に募集をかけ、校内研修として久米島小学校・仲里中学校・清水小学校・久米島中学校から計16名の先生方に参加いただきました。

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午前中は、古瀬浩史講師から「体験を重視した学習の手法」の習得をテーマに実施。まずは室内で、「トラックス」と「一握りの砂の中に」という2つのプログラムを実際に先生方に体験していただきました。

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左上の写真が「トラックス」実施風景。プロジェクターに投影された写真(発掘された2匹の恐竜の足跡)を見ながら、この恐竜の行動について推測してストーリーを組み立てるというプログラム。「一握りの砂の中に」(写真右上)は、日本の3か所から採取した砂を顕微鏡で観察して、どのような環境で採取した砂なのか想像して絵を描くというもの。どちらのプログラムも、観察をして得られる情報から、推論してストーリーを組み立て、実際を知るためにさらにじっくり観察するという流れで、良く観察するということ、そのための「動機づけ」の大切さを実感していただく例として紹介しました。

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次に、場所をアーラ浜に移動して 「おなじものをさがそう」というアクティビティを実施。写真の「?」の布の下には・・・前日に同じ浜で拾ったもの(数種類のサンゴの骨格やアダンの実、シャゴガイなど)が入っていて、10秒だけこの中身を見た後に、グループに別れて同じものを探してくる、というゲーム仕立てのアクティビティを実施しました。

先ほどの砂のプログラムでは、石垣島の砂を観察してほとんどがサンゴや有孔虫などの生きものの死がいで出来ていることを紹介したのですが、このアーラ浜の砂をよーく観察してみると・・・石垣島とは全く違うのでした。溶岩がゆっくり冷えて固まった「畳石」という重要文化財がある久米島、サンゴなどの生きものだけでなく黒い鉱物もしっかり混ざっていました。

サンゴ礁に関しては、今回の研修会のために環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターから提供いただいたサンゴ礁ティーチャーズガイドやwabからダウンロードできるパワーポイント教材、調査プログラムであるコーラルウォッチやサンゴマップなども紹介しました。

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午後からは、浪崎直子から昨年度から久米島小学校で実施している儀間川の授業事例を現在制作中の教材で紹介しながら、「環境学習に役立つ地域の資源」の活用をテーマに実施。儀間老人会などの方々にお越しいただき、昔の久米島の自然と人の関わりについてお話を伺いました。話を引き出すための小道具である地図や空中写真・衛星画像、そして「老人会サロン」という久米島特有の仕組みもご紹介。参加した先生方からは「生の昔の自然の知識に触れることができてとても有意義だった、平和学習などでも活用できそう」とご意見をいただきました。

その後、久米島小学校の子どもたちがベチバーを植えた圃場を見学。この対策は、町役場や圃場の持ち主の農家さん、地域団体などの協力を得て実現できたこと、そして協力してくれた農家さんがが子どもたちが植えてくれたからと、発育が悪かったベチバーに肥料を入れたり水をやるなどの世話をしてくださったことを紹介。地域に協力を仰ぐことで、子どもたちが社会参加する機会を作ることができる、という一例を紹介しました。

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久米島ホタル館も見学し、館内の展示と水槽の生きものを見せていただきながら、久米島の自然について解説いただきました。久米島の自然環境全般に関する情報や授業のノウハウ、久米島小学校で行った河川の体験学習や赤土対策の実践などのサポートも得られるので、先生方が環境学習をはじめるときにはぜひ訪れていただきたい施設です。

最後に振り返りを行い、参加した先生方からは「導入・動機づけが、体験学習において大事なことだとわかった、今回受け手になってみて、楽しいもっと知りたいという気持ちが自主的・探究的な体験学習につながったことを実感した。」、「体験学習の進め方を授業実践で取り入れていきたい。授業計画を改善していく。」、「地域に教材として活用できることが多くあることが分かった」、「子どもたちが社会参加することで地域の大人も変わる可能性があることを知った」との感想をいただきました。

総合的な学習の時間の指導要領には、「体験的」「主体的」「探究的」「グループ学習」「対人コミュニケーション」「社会教育施設との連携」といったキーワードが出てきます。これらキーワードは環境教育でも共通に出てくるもの、今回の研修会でもこれらキーワードとの関連を軸にして紹介しました。今回の研修会をきっかけに久米島の自然環境についてしてくださる先生が増え、久米島の子どもたちが増えることを願っています。

(国立環境研究所 浪崎直子・(株)自然教育研究センター 古瀬浩史)
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